ロシアの卵かけ幼女(下痢気味)

ブーン系とか、小説とか、いっぱい書きたいです。

スポンサーサイト

--------
スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

僕等は「USB」と「平塚」に捕らわれているようです

2009-06-13
その他
七誌◆7SHIicilOUさんの作品です。
今後は他作者の作品はまとめない予定です。

【7月6日、よなかごろ追記】
仮まとめ状態でしたが、まとめ完成しました。

【8月27日、よるごろ追記】
作者さんのブログに行くといいことがあるかも。
後日、キョンが直死の魔眼を手に入れるスレで七誌◆7SHIicilOUさんを
発見しましたが(そのスレで、ドバイ等について付言されていました)、
そのログも、『けいおん!』スレのログも、不注意で失ってしまいました。
なのでまとめることは出来ません。なむなむ。

http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1244274114/


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:42:14.44 ID:kS7pidQKO

 キャラ設定

茶屋 抹茶《ちゃやまっちゃ》 

自分 黒く直方形のUSB 男 未成年

僕たる語り部 丁寧語キャラ
USBの所持者 紅茶党の甘党 
身長170cm 体重53kg
ハイパーダッシュ内臓のオキシライドバッテリー
USBの色合いは黒 内容フォルダは八百五十四
補足だがフォルダ一つに人間一人分のデータが蓄積される


鐚走 監獄《あばしりかんごく》 
友人 橙の直方形 男 未成年

広い由緒ありそうな日本家屋が実家
しかしその敷地を囲むように巨大な分厚い塀が囲っている
よくある思春期の同級生キャラ
身長173cm 体重58kg
茶屋の唯二無三の友人



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:43:13.88 ID:kS7pidQKO
鰐待 列車《わにまちれっしゃ》 
友人 白い流線型 女 未成年

放棄された電車を家代わりに使ってる
豪快な性格のサバサバしたキャラ
身長164cm 体重不明 B80 W55 H81
茶屋の唯二無三の友人

桃透 絶ナ《とうすぜな》 
不明 不明 不明 不明

身長152cm 体重42kg
B77 W54 H79


盗人 善《ぬすびとぜん》
かませ犬 桃色の波型 男 22歳
バイクが趣味で、有用と判断されたファイルの一つが
所持するバイクの情報。
USBは移動機械の鍵にもなり、所有データのないUSBには反応しない



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:45:47.73 ID:kS7pidQKO
盛大に誤爆した
死にたい


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:41:54.31 ID:2XJvBZbY0
スレ立て代理請負人


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:44:49.08 ID:kS7pidQKO
>>1
ありがとう
助かったかな、助かった



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:45:45.74 ID:kS7pidQKO

 TOT現象しかり、ゲシュタルト崩壊しかり、
人間の脳というのはなんだかんだいって貧弱な作りをしている。
同じ字や物を見続けると認識に齟齬が発生して、
正しく視認できなくなったり。なにか行動を起こそうとした次の瞬間に
ぽろりとなにをしようか忘れてしまったり。
脳のCPUはどうにも性能が悪くちょくちょく処理落ちするような
どうにも出来がいいとは言い難い作りをしている、
コンピュータの記憶媒体としてはジャンクもいい所だ。

 だが、じゃあそれは脳味噌自体の性能の限界なのかといったらそうじゃない。
RAMとしてもROMとしても脳味噌自体のスペックは華々しい、
見た物、聞いた物、嗅いだ物、味わった物、触れた物、
その全てを記憶し、忘却せず、一生を過ごすだけの容量があり
実際そういった能力を持ち、過ごし、死んでいく人間も存在する。
暗算で三桁以上の累乗計算を行う人間も存在する。
何千という未来を幾許かの時間で読み取り最善を狙い戦うものも存在する。

 しかしそれはもはや人外魔境の様相を呈した存在、
一種の超能力というべき物。従って僕の様な一般人(この場合一般人という
括りが必ずしも人類の中で最も普遍的な形から外れてないという意味ではない)
が使いこなせる脳の能力などたかが知れていて、
ゆえに僕は鐚走の家に向かって歩みを進めていた。



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:47:58.97 ID:kS7pidQKO

 本日、僕はふとその活用し切れてない脳の度忘れの所為で
鐚走の下の名前をすっかりかっきりさっぱりしっかり忘れてしまった。
人間というのは本当に適当な生き物で、前述のような特殊な脳回路をしてる
人物でなければ物事をどんどんと忘れていく。
どんなに得意な科目だって、一年もやらねば解式なんて忘れるし。
どんなに親しい相手だって、一度も呼ばねば下の名なんて忘れる。
僕はいつも鐚走のことは鐚走としか呼んでいなかったし、
あいつも僕のことを名前で呼んだことなど過去一度も無いだろう。

 それでもやはりたった二人の友人の名前を忘れるというのは
不実極まりない当然のマナー違反だろうので。
僕は事前連絡、所謂アポイントメントを取ることなく
思い立ったが吉日とばかりに鐚走の家にのんびりと歩いている。

 いや、べつに家に向かってるからといって
本人に会って直接「お前の名前なんだっけ?」という質問をするつもりではない。
流石に人付き合いに疎い僕でもそれはタブーだということくらいは理解できる。

 僕は足を止めて目の前に広がる異様な光景に
しばし目を留めて、三秒程度してから踵を返して
来た道をそのまま辿って帰路に着いた。
アポイントなど、そもそも取る必要はないのだ。
僕はあいつの家に行って誰かに答えを教えてもらいに来たわけじゃない、
あいつの家を見に来ただけなのだ。



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:49:14.77 ID:uLYnEHbQ0
しえん
先日の維新風の人?

>>6
そうです
先日は醜態をお見せして申し訳ない



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:49:30.90 ID:kS7pidQKO

 さて、関係ないがここは石垣島じゃない、
ましてや沖縄ですらない、立派な首都圏である。
そして広い、由緒正しく格式高い旧日本家屋。
それが鐚走の実家、なのだ。
端から端までで1200m走ができるあいつの家はでかい、
そして異様で、異端で、異形で、異常だ。
広い敷地に存在する屋敷といって構わない日本家屋。
その高い高い屋根よりもさらに高い石垣。
厚さも優に1mを超える分厚い石の壁が周囲をグルリと囲っている。

 僕が見たかったのはその光景だけだ。
だからさらに正鵠を記すのであれば、僕は家を見に来たわけですらなく。
家を囲むこの圧倒的な存在感を誇る壁を眺めに来たのだ。
この石壁は、そのまま鐚走の名前を表している、
名は体を現すなどという陳家で陳腐な物言いがすんなりと当てはまるほどに。


 鐚走監獄。
 僕のたった二人の友人の一人が彼だった。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:53:35.65 ID:kS7pidQKO

 べつにその二人が僕にとっての愛と勇気って訳じゃないが、
しかし我ながら自分の交友関係に対し少々疑問を覚える。
友人なんて心の底から信頼できて、助け合える、
自分の全てを打ち明けられる親友が一人居ればいいと聞くが、
ならば件の二人の友人がそれに匹敵するかと言えばとんでもない。

 鐚走も鰐待も確かに友人である、確かに親しい。
だが僕が彼らに信頼や信用を持っているのかといったら答えは否だ。
信じる心だなんてそんな陳腐な物を僕は古今東西一度も所持したことがない、
それは自分自身に対しても同じ事で、結局僕は疑心暗鬼の餓鬼だという意見もあるだろうが、
しかし鐚走も鰐待も人間性に圧倒的な欠陥がある奴で、
詐欺師の持ちかけた話よりも信じるに値しない者なのだ。

 まぁそんな奴しか友人が居ない僕も大概似たようなもので、
第三者から比較されれば不本意ながらほぼイコールで結ばれる事も理解してる。
僕も鐚走も鰐待も、どいつもこいつもここらに住んでる奴らは馬鹿ばかりだ。
頭のネジを纏めて落として、隙間にこびり付いた錆だけで辛うじて形を保ってるような
どうしようもない糞野郎の掃き溜めのような場所。
それが僕等の住む日本国内特殊自治領域、平塚という街だ。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 16:57:34.73 ID:kS7pidQKO

 特殊自治領域。
つまりは法治国家たる日本から隔離された独自の体系で成り立ち、
全ての事象をその内部で処理し、解決させる治外法権のようなもの。
この場所は、日本という国から見離され、見捨てられ、見限られた、
陸の孤島とも言える小さく小汚い町なのだ。

 アンダーグラウンド、とでも言うと理解の助けになるだろうか?
あるいはとある世界での長崎、とか。
どちらにせよ、この場所がまともに成立していないことだけはわかると思う。
抜け穴だらけとはいえ、日本という国を先進諸国の中でも指折りの上位国として
きちんと成していた法がこの土地ではなくなり。
代わりに自法と呼ばれる必要最低限のロボット三大原則のような
曖昧で有耶無耶な物がここでは法として確立している。

 一つ、人は人を殺めてはならない。
 一つ、人は人の所得物を奪ってはならない。
 一つ、人は人の所得物を破壊してはならない。
 一つ、人は銃砲刀剣類の所持を認めない。
 一つ、USBを介した結果であれば上記に反してもこれを罰しない。

 三大原則ではないが、これが基本的にみなが知る最低限の原則。
こんなものはいまどき馬鹿な小学生でも当然と弁えていることで、
それしか明記されていないということは法などあってないものだと言う事だ。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:00:26.61 ID:kS7pidQKO

 現に、殺めることを禁止しつつも殺さない程度の暴行は禁止されていない為、
外を歩けば頻繁に暴力的でグロテスクなシーンにでくわす。
他にも、奪うのはダメでも譲渡は許可されているし、恐喝も許可されている。
この為暴力に頼った脅しによって、友好的に金銭の受け渡しが行われてる場面にも、
やはり多々でくわしてしまうのだった。
僕が外を出歩きたくない理由の三つの内の一つがこれらだ。
外を歩けば巻き込まれてしまう。
スリや強盗、また家を空けてる間に空き巣が入ったりはないのだが、
友好的に近寄ってきた人間に友好的に多額の金額を譲渡してしまう羽目になる。

「はぁ…、面倒ですね…」

 そして五つの項目の最後。
USBの効果としての凶器の所持、USBの結果としての所持品の強制的な所有権の移行、
そしてUSBを介した人死には罰は科せられないという。法とは名ばかりの無法。
恐喝、暴行の現場に比べれば頻度は非常に少ないが、
そのラストの無法によって死体を目にすることも稀にある。
他人の屍なんて、見たくも無いものをまざまざと見せ付けられて、
ただの子供たる僕は一体どう反応しろというのだろうか?
僕がでたくない理由の三つの内の一つがこれだ。



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:01:33.63 ID:PiPTNX2h0
特定厨扱いされるだろうがあえて聞く

戯言とひぐらしのクロスオーバーの人か?

>>13
それは違います



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:03:54.18 ID:kS7pidQKO

 そして最後の一つが。

「面倒? そりゃ俺の方だぜ、お前みたいなガキの相手をするんだからよ」
「僕はしてくれと頼んだ覚えはありませんよ。勝手に現れてなにを言ってるんですか」

 USBを僕が持っていることだ。
この土地に居る以上、所持者はそれとわかるようにそれを常時持ち歩かなくてはならない。
これは法にはないが、ローカルルールみたいなものだ。
それに結局USBを隠したところで首にあるコネクタから悟られるのだから、
USBを置いた所で戦う術が無くなるだけで戦いを避けられない。
ならば持つしかないのだろう。

「ついでに言っておくが俺のUSBの内容量は七十と八だ」
「はぁ、それは凄いですね」
「お前の分、加算させてもらう」

 噛ませ犬の発言どうもありがとうございます。
僕はそんなことを思いながら似合わぬ桃色のUSBを首に接続し、
機関銃のインストールを始めた見知らぬ男を眺めていた。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:05:20.47 ID:kS7pidQKO
―――


 鐚走の家から歩いて一時間程。
僕は一つの川、その脇に広がる長い雑草が生い茂る地帯にぽつんと、
線路なんか周囲にありもしないのになぜか存在する二両の電車の車両の前に辿り着いた。

 久しぶりに家の外にでたついでに鰐待の所にも向かうことにしたのだ、
親友だの信用だの、前述のとおり僕はこの二人のどちらにも抱いていないが。
しかしあえて、どちらがより近いかと言えば鰐待の方になる。
それは鐚走が男で鰐待が女で、そして僕が男だからとかそういった意味じゃない。
ただ単に、比較的鰐待のほうが好ましい性格だからというだけだ。
まぁそれもあくまで比較的なわけで、
やはり鰐待自体は破天荒で手のつけがたい人物なのだけど。
…実は僕自身の住居からは十五分もしない距離だったりもするこの川原。
鰐待はこの二つの傾いて蔦が無茶苦茶に絡みついた電車両に住み着いている。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:12:57.21 ID:kS7pidQKO

 電気の通ってない電車のドアなんてのは、
それなりに大きな衝撃によって窓なり扉そのものなりを破壊しなければ
中に入れない一種壁のような物なのだが、鰐待はそれを素手で襖の様に開閉する。
いまだって当然電車にチャイムなんて無いのでごんごんとノックをして、
数秒も経たないうちに片手でヒョイと絶縁扉並みに硬く閉ざされてるドアを開くのだ。

「よっす緑茶」
「…いや、まぁ間違ってないんですけどね」

 タンクトップにハーフパンツというキャラクター性を考えると
ステレオタイプとすら言える出で立ちの鰐待。
しかしならば一緒に装備してそうな物品、煙草や酒類は所持していない。
未成年ならばしかるべしなのだろうけど、その辺役になり切れて居ないと思う。
いや、キャラとか役とか、どうにもメタ的だけれど。

「とりあえずあがるか?」
「まぁ、こんな虫だらけの場所で会話を行いたくはありませんからね」
「ん、じゃあ入れよ」

 言ってさっさと中に入ってしまう鰐待。

「あ、扉閉めといて」

 …無茶言うな。



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:18:18.81 ID:kS7pidQKO

「で、ぶっちゃけなんの用事な訳? めんどいからちゃっちゃと本題入れよ」

 車両の中は座席が取っ払われ、
冷蔵庫にテレビに炊飯器や電子レンジ、湯沸し器や冷風機なんぞもある。
照明だって当然あるし、もう一つの車両にはベットもある。
生活水準はむしろ僕より良好と言える。
どうやってガスや水道や電気をここに引いてるのか僕は知らないし興味ない。

「はぁ、べつに特筆した用事はありませんが」
「嘘ぶっこいてんじゃねぇぞ」
「割かしマジですけどね、強いて言うなら会いに来たと言うところですかね」
「誰にだよ」
「あなた以外に誰がこんなところに居るんですか?」
「あー、マジで私に会いにきただけなわけ?」
「そうですよ、僕が信じられないんですか?」
「信じてくれねぇ奴を信じれるかボケ」

 まぁそりゃ正論。
僕は黙ってだされたコーヒーを啜る。苦い。
なんで砂糖やミルクがないんだ。馬鹿なのだろうか。
ブラックが格好いいのは中学生までだ。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:26:55.54 ID:kS7pidQKO

 表情にはださないで、取り合えずマグカップを机に戻す。
そもそも僕は基本的に紅茶派なのだ。
僕の家には紅茶葉がいつも十数種類置いてある。
こだわりはないけど、もう癖みたいなものだ。
ないと落ち着かない。…となると癖というより一種の中毒だな。

「お前が私に会いにねー。用事があるよりむしろこえぇよ私は」
「その言い方は心外ですね。
 けどまぁさらに言うならば鐚走の家に向かったついでという感じですかね」
「鐚走の家? 行った所で意味ねぇだろ、あいついつも居ないし」
「えぇ、会いに行ったんではなく家を見に行ったんです」
「…また名前忘れたのか?」
「度忘れです」
「度忘れが多いんだよ。自分の名前わかるか?」
「緑茶」
「それはさっきの冗談じゃねぇか」
「でしたね」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:33:13.03 ID:iTzxZuwpO
平塚市民が通りますよ


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:41:19.91 ID:kS7pidQKO

 冗談は置いといて。
確かに用は無いけど意味も意図も無いわけじゃない。
そこまで僕は愚鈍な人間では無いはずだ。
僕は真剣さを演出しながら一つ咳払いする。

「鰐待」
「ん? なんじゃらほい」
「今日またデバイスに会いました」
「ですですか」
「危うく蜂の巣にされまる所でしたよ」
「ふぅん、へぇ、ほぉ」

 ここまで完膚なきまでにどうでもよさそうにされると
僕の方までどうでもよくなってくる。
こういう伝播はよくないなぁと思いながら、ため息を吐いて
少し調子を砕いてから再度話を試みる。

「最近ちょっとばかし多いですよね、こういうの」
「まぁな、私も先週タンクローリーの操作法を覚えたぞ」
「それはまたずいぶんと愉快ですね」
「結局通常の車とサイズ以外かわんねぇけどな」
「そんなもんですよ、実際は」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:41:51.70 ID:LqrueUJWO
平塚住みが興味を持ったようです


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:42:49.09 ID:kS7pidQKO

 知らないものほど想像と妄想と偶像とが混ざる。
例えば海外などで拳銃を実際に撃ったことがある人ならば感じたことがあるだろう。
『あれ? この程度の物なのか? こんな物なのか?』
そんな肩透かしにも似たなにか。
自分の日常や平常から離れたものほどそれは大きくなり、過大で過剰な期待。
見ると聞くとは大違い、百聞は一見に如かず。
僕だってこの街の腐乱さをちょくちょく解説したものの、
しかし外からこの街を見ていた時、伝聞として知りえた知識で感じていた感覚は、
実際に足を踏み入れるとあっさりと雲散霧消してしまった。

 日本という国にある地獄。
      ・ ・ ・ ・
 それはこの程度なのかと。
一蹴し、一笑に付したものだ。



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:53:21.47 ID:kS7pidQKO

 結局真実なんて、良い意味でも悪い意味でも、
想像より、思っていたよりも良かった悪かった、なんてことは無い。
この世にあるトップとボトムの差なんて、大して違いなど無いのだ。
自治領域の内外での違いだなんて、突き詰めれば人が上品ぶってるかどうかの違い。

 酷く稚拙で乱雑で適当な作りをしているのだ。
人間も、社会も、世界も。

「へーい煎茶君?」
「…誰ですかそれ」
「お前だよお前」
「…べつにいいですけど」
「で、言いたいことはそれだけ? 注意勧告?」
「ですね。…といってもどうせ思い付きです、暇なんでしょう? なにかゲームでもやりませんか?」
「おっ、いいねぇ。なにやる?」
「それでは将棋でも」



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 17:59:17.82 ID:kS7pidQKO

―――

 僕の家はボロいが広い。
そしてなにより普通だ。
でかい塀に囲まれた屋敷や、放置車両と比較するまでも無く普通だ。
二階建てのアパート、その一階端の家が僕が借りている家だ。
この場合借りているというのは賃貸という意味ではなく、
勝手に上がりこんで住居として使用させてもらってるという意味だけれど。

「重畳な話ですよね、まったく」

 3DKと一人で使うには少々手に余る広さのこの家は
細く入り組んだ路地の奥、わかりにくい場所にある。
三つの部屋のうち、私室として使っている部屋で
僕は真っ黒なUSBを一台のノートPCに繋ぐ。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:01:42.43 ID:kS7pidQKO

 カーテンの無い窓から入り込む月の光と、
モニタだけが光源の暗い部屋。
照明がないわけじゃないのだけれど作業中はつけないのが僕の流儀なのだ。
目が悪くなるだけで利点なんて無いのだけれど、
これもやっぱり癖なのだ。悪癖ほど、直らない。

「…特に何もありませんね。予想外にお金が入ってるのが救いでしょうか」

 モニタに表示される多数のフォルダ、ファイル
多様な情報、多数の武器、多種のスキル、多量の金銭。
新しく増えた七十五のファイルのうち、
すでに所持しているもの、不要なものを取捨選択してDeleteしていく。
結局残ったのは金と三つのファイルのみ。

「おしまい」

 USBを抜いてパソコンを閉じ、照明を付ける。
部屋にはPCとそれを置いてる机と椅子、そしていくつかの本が床に直置きになってるだけだ。
私室などと言ってもその程度、このなにもなさが心地よい。



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:12:10.94 ID:kS7pidQKO

 所持者は首筋にポートを持っている。
身体に埋め込まれたそれにUSBを差込み、
中に入っているプログラムをインストールすれば、
所持しているユーザーはなんでもできる。
僕のUSBに入っているフォルダ総計は八百五十四。
その場に応じてプログラムを起動させれば、
この世の全ての移動兵器を自在に動かせたりもする。

 わかりやすく言うなればマトリックスの世界だ。
データを組み込めばなんでもできる。
まぁ違いはこの世界は機械の中ではなく、あくまでも現実で、
僕ら人間は生身の身体を持っていて制約を色々と受けているということだ。
だからビルとビルを飛んで渡る事などできないし、
何も無い空間に乗り物や銃器などを出現させることもできないし、
ましてや自分のデータをコピーして百人のスミスになることもできない。
全は一、一は全などと言っても個は個で個でしかない。
そして、普通はあまりないのだが、
収集欲や金も含めた物欲等の強欲によってそのデータを奪おうとする輩がいる。
そしてUSBを奪われ破壊されればその所持者は命を絶たれる。
法の五つ目、その意味はこういうことだ。
日本国内特殊自治領域平塚。

「…面倒ですよね」



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:13:07.99 ID:kS7pidQKO

 複雑すぎるのだ。
なにもかもが。
そりゃ外じゃ無縁仏の情報を拾ったりとか、
遺棄された死体の処理とか、
殺人事件の被害者の記憶を探って犯人特定したりとか、
役に立ってるのも知っている。
…って挙げた例が全部生殺に関わってるってどうなんだろうか。
まぁわかりやすさを求めた結果であって僕の嗜好が出たわけではないと判断して、
目を領域内に戻せばこの有様。
盗人善という人間を返り討ちにした今日の僕の行いだって、
罪に問われることなく、無事として処理される。
処理されるというか、処理されない。
なにもなかった、そう無視される。
あの遺体は掃除屋のじいさんかなにかが拾ってごみと一緒に焼いて終わり。
盗人という人間が同じように過去にデータを奪った七十七の人間だって、
やっぱり同じこと。焼かれ爛れ跡形も無く消滅する。
存在としても、書類上でも。
完膚なきまでに亡き者を無き者にする。
ただでさえ平塚内の人間は日本という国に存在してないことになっている。
首都圏神奈川の一都市、平塚の対外的に流れてる情報。
過度の過疎によるゴーストタウン、人口ゼロ。
それが国外に知られてる平塚だ。



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日:2009/06/06(土) 18:13:10.14 (p)ID:AlcnwsEi0
追いついた。
ところで電車の扉って割と楽に手動で開けれるんじゃないの?

>>34
実際にはね
災害時に閉じ込められないようになってるから二、三人居れば楽に開くだろうね



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/06(土) 18:14:26.40 ID:yFhUTyhLO
平塚は湘南とは認めない
絶対にだ


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:20:35.22 ID:kS7pidQKO

 僕は抜いたUSBにキャップをして、
ポケットにしまってつけたばかりの電気を消す。
もう就寝、という訳ではなく夜食の一つも買いに行こうということだ。
買いに行く。つまりそれは物品を売っている場所がある訳で、
売買が成立してるということは経済も成立してることを表す。
ま、表した所でなにがどうこうって訳じゃないけれど。
少なくとも僕にとっては。

 僕が空腹を覚えていて、僕がお金を持っていて、
外には空腹を満たす食料を売ってる場所があるということだけが僕にとって大事なのだ。
そしてこの街に住む誰もが、理解している。
だから、この街でも問題なく店は営業できる。
ここがなくても他に行けばいい、なんていうことができない街だから。
そこが確実な僕等の生命線だから。
襲撃をかます人間なんて皆無にして絶無。

「行ってきます」

 僕は誰も居ない空間に向かって呟いて、家を出た。



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:49:01.94 ID:kS7pidQKO

―――

「つまりさ、茶屋はなにがしたいのかってことだよ」
「僕がなにをしたいかですか?」
「お前はなんか色々とやってるじゃないか」
「それはそうですよ、十人十色。みんながみんな色々やってます。
 個人的に言わせてもらえれば一人一色なんてのはありえないから十人百色って感じですけどね」
「いや、そんなことはどうでもいいんだよ。
 俺が言ってるのは茶屋がなにか俺とか鰐待に隠し事をしてるということだ」
「隠し事はお互い様ですよ。大体完全に自分を他人に知られるなんて空恐ろしいこと誰だってしませんよ。
 自分自身ですら騙し騙しやってきてるんです。
 人に嘘を付いていけないなんてそんなの無茶苦茶ですよ、生きるなってのと同義です」
「だからそうじゃないんだよ茶屋。君は塀を破壊しようとしている」
「鐚走の家のですか? それはとんでもない、ずいぶんと荒唐無稽な話ですね。
 僕になんの利があってそんな強行に及ぶのですか」
「違うってば、聞けよ人の話しを、殺すぞ」
「やめてくださいよ」



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:57:19.27 ID:kS7pidQKO
「お前はこの平塚の塀を破壊しようとしているんじゃないのか?」
「僕個人の力でどうこうできるようならこんなに大量の人間がここに閉じ込められたりしませんよ」
「まぁ、そりゃそうだけどさ。でもやっぱりお前って違うじゃん」
「違うとは? 外部から来たとかですか?」
「じゃなくて、根本からさ」
「言ってる意味がわかりませんね。汲み取れません」
「なんて言うのかな…。えっと、ここに人間っていう機械媒体があるわけだよ」
「はい」
「んで、骨格があって、回線繋いで、モーターくっ付けて、コンピューター乗っけて、バッテリー乗せて、一つ組みあがるわけだ」
「ですね」
「で、それぞれ人間の個人で出力が違う訳だよ。構成物質の違いとかさ、モーターの威力とか、色々」
「トルクチューンとレブチューンみたいな感じですね」
「そんで飯食って燃料補給して、眠ってCPU冷ましてハードディスクにデフラグかけて」
「なるほど」
「お前はさ、その当たり前を凌駕しちまってるんだよ」
「凌駕ですか」
「なんかさっきの例えだとハイパーダッシュみたいな感じ、
 電池もニカドとかマンガンとかじゃなくてリチウム電池見たいなの積んでてさ」
「それは確かに凄いですね、驚嘆です」
「だけど失格。凄いけど失格、というか凄いから失格って感じだな」
「鐚走に言われると軽く死にたくなりますね」
「いいんじゃないの? お前は死んだほうがいいだろ」



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 18:59:38.94 ID:kS7pidQKO

 目が覚めると午後だった。
僕は元々長時間寝ないと動けない人間なのだが、
昨日は別段遅く寝たわけじゃないのにこれとは
とうとう僕の万年寝たろうも堂に入ってきた感じだ。

「…入りたくありませんね。素直に嫌です」

 しかし嫌な夢を見た。
夢というか、記憶、思い出に近い何か。
その癖これだけ長時間寝てるんだから、
この部屋の空気中には睡眠ガスの成分が散布されてるんではないだろうか。
…ないだろうな。

「あー…、しばらく鐚走には会いたくありませんね。
 あと一ヶ月は会話したくなりませんよこれは」

 僕の海馬が蓄積している鐚走との会話の記憶の中で、
最も気分が悪くなるのを再生して、僕の脳はなにをしたいんだろうか。
不必要な記憶はとっとと削除して欲しい、
それこそUSB内の他人の記憶みたいにサクッと消せたら楽なんだろうけど
自分自身のデータが入ってるフォルダだけはどうにもできないからな。



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 19:03:23.46 ID:kS7pidQKO

「…とりあえず紅茶でも入れましょうか」

 プリンス・オブ・ウェールズ
アッサム系のブレンドでストレートで香りを楽しむのが基本。
キッチンにある数少ない道具、その中の大半は紅茶関係の道具。
ティーサーバーに缶から取り出した茶葉をキッチリ軽量スプーンで量り投入、
お湯を入れて蒸らしつつ昨日買い物した袋からクッキーをとりだす。
安物でも何でも茶請けが無いとダメな僕。これも中毒。
というよりこだわりと言うか、意地みたいな話。

 何故僕が紅茶にこんなに嵌っている理由はわからない。
嫌いなものの理由は聞いても構わないが好きなものの理由は聞いてはならない、
それは某姉弟が言っていた。
某姉弟など、軽くぼかしたのは、
単に台詞と姉弟ということ以外覚えてないからだが、
はて、あれは一体なんだったろうか?



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 19:21:02.85 ID:kS7pidQKO

 徒然なる思考に身を任せながら、
居間に向かって僕はギョッとした。
表情や態度にはでてなかっただろうけれど、
しかし驚愕、というレベルの驚きを僕は感じていた。

「どちら様でしょうか?」
「…」

 返事が無い。
けれど二本足で起立してこちらを睨んでくるような屍はこの世にないだろう。
ゾンビだとかなんだとかが存在しない限り生者の筈で、
ならば僕に対して反応を返せるだろう。

「あの、勝手に上がられると困るんですけど」
「お前はこの家の所有者ではないだろう。勝手に上がりこんでるのはお前も同じだ」
「…まぁそうですけど」

 なんだろう。
確かにその通り、正論もいい所なんだけれど。
なんか納得いかないなぁ。



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 19:22:25.84 ID:kS7pidQKO

「茶屋、だったか。茶屋だったよな?」

 僕が立ってる位置と正逆。
向こう側の壁に沿う形のシンクに寄りかかるようにしていた誰かさんは、
僕の苗字を呼びながら一歩こちらに近寄ってくる。
時と場合によっては警戒するべき事態。
というか家に侵入されてる時点で警戒するべきなのだろうが、
僕はあまりこの時点ではそういった感情を抱いていなかった。
それは敵意がないとわかった。なんて格好いい理由だったりではなく、
単に思考が状況に追いついてないだけだったりするのだけれど。

「そうですけど、なにか僕に個人的な用でも?」
「ん、そうだな。そうだ、用があってきた」

 僕に用事がある。
つまり僕に会いにここにきた。
ということはこの場所に僕が住んでいることを知っている。
それを知っているのは基本的に鐚走と鰐待オンリーだ。
…ふぅん、やるじゃん。



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 19:26:42.97 ID:kS7pidQKO

「ところで茶屋、聞きたい事があるんだ。聞きたいことがあるんだよ」

 前述のように、そしてこの人物が言っているように
僕は正式な手続き(この場合は単にUSB自体と平塚全体の
データバンクに登録すること、になる)を行っていないので
調べようとして調べられることじゃないのだけれど。
というか当然のように僕の名を呼ぶなぁこいつ。
呼び捨て。

「なんでしょう?」
「お前、紅茶好きなのか?」
「…えっと」

 そうだけど。
もちろん好きだけど。
なんでこのタイミングなのかな?
この人は僕の葛藤など知らぬ存ぜぬでダンボールに詰められた
大量の茶葉が入った缶を物色しているし。



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 19:32:54.63 ID:kS7pidQKO

 いや、本当、勝手に人のコレクションに触るなよ。
中身が空になっても缶はとって置くんだからな僕は。

「で、どうなんだ?」
「いや、好きですよ当然」
「そうか、ならよかった」

 一人頷き、部屋の中心あたりに腰をおろす、
おろす…。なんだろうか?
一応服の上からわかる身体の線や身長を加味すれば、
女っぽいのは理解できるんだけれど。

「紅茶を入れるところだったんだろ? 私にも頼む」
「…はぁ」

 図々しいというか、意味がわからない。
けど、とりあえず僕は意味のわからさに流されてしまわないうちに。

「で、あなた誰なんです?」
「桃透、絶ナかな。桃透、絶ナだ」

 それ人の名前かよ。
…僕が言うなって話か。


まぁ、こんな感じで、登場人物が揃ったのだ。
揃ってしまったのだ。
揃わなければ、始まらずに済んだというのに。



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 19:34:10.14 ID:kS7pidQKO
ちょっと休憩
個別にスレたてるとわかる伸びの悪さ



56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日:2009/06/06(土) 19:37:36.34 (p)ID:bjt4ZbgG0
あるあるw
がんばれw


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 19:53:49.09 ID:kS7pidQKO

―――

 発端と終焉は同じ場所で迎えるべき。
というのは確か鐚走が言った言葉だった、
…いや、鰐待だったかもしれないし、もしかしたら僕だったかもしれない。
まぁ誰が言おうと、結局言葉の意味自体は変わらない、
変わるのは重みと真実味だ。

 曰く、人間というのは奇跡である。
生から死へ向かう中で多種多様な線を描いていく。
何かが、始まったところから線が始まり、終わった所で途切れる。
それだけなら単に一本のなにか、地面に落ちた糸くずの形のような、
なんだかよくわからないものだけれど。
しかし、始まりと終わりが同じ場所であるならば、それはなにかを囲む円になる。
丸くなくても、なにかを囲む区切りとなる。

 そしてそこに囲まれたものが、経験とか、思い出とか、糧になる。
けれど、誰でも最初の場所なんて忘れて右往左往。
結局どこにも辿り着けずに終わっていく。
好きに放浪してもいい、だけど最後にここに戻ってきなさい。
人生に置ける、目的、目標、そして束縛。



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 20:00:58.50 ID:kS7pidQKO

 まぁ、だからそれがどうした、と言われれば
別にどうもしない。としか答えられないのだが。
僕が言ったにしろ、鰐待や鐚走が言ったにしろ、
こういった一見深そうで、全く意味の無い事を口にしてるときは
大抵がその場の思いつきでそれっぽく適当に並べてるだけ。
僕が偶然とはいえこんなことを思い出したのは僥倖とすらいえる。

「これは、美味いな。美味い」
「そうですか。気に入ってもらえたようでなによりです」
「私も紅茶は好きでな。うん、お前の好感度もあがったぞ、よかったな」
「ですか」

 好感度って。
初対面の人間のルートに入るつもりは僕にはないのだけどなぁ。
なんかエンディングもハッピーっぽくないし、
というか早く本題に入って欲しい。



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 20:24:52.16 (p)ID:PiPTNX2h0
これは原作があるの?

>>61
ない
完全オリジナルで前に没にした設定の流用



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 21:12:41.42 ID:kS7pidQKO
料理中
しばし待っていただきたい



75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 23:17:43.25 ID:kS7pidQKO

「本題。本題ね」
「えぇ、用事があるのでしたらくつろぐ前にそっちを消化してください」

 自分にしかいつも紅茶を振舞う相手もいないので、
この場にあるカップは一つきり。
そしてそれを彼女が使ってるために僕は飲めない。
理不尽。不条理。

「私はお前に折り入って頼みがあるんだ」
「頼み、ですか?」
「あぁ、付き合って欲しいんだ。付き合って欲しい」

 この場合、恋愛要素はほぼ除外。
ならば行動を共にするということになるが、
しかし買い物に連いていくのとは違う。
面倒ごとの予感以外のなにものもしない。

「私は茶屋抹茶、お前を知っている」
「そうでしょうね。如何なる方法で知ったのか、
 わざわざこの家にやってきたわけですからね」



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 23:32:46.94 ID:kS7pidQKO

「それだ。それなんだよ」

 ぐいと残っていた紅茶を一口で飲み干して、
桃透絶ナは少し興奮した様子で身を乗り出す。
その際力強く置かれたカップが僕は偉く心配なのだが、
多分空気が読めない奴と思われそうなので黙る。

「私は知っている。知ってるんだ。
 お前の事だけじゃない、鐚走監獄のことも鰐待列車のことも」

 知っている。
その言葉はどこまで通じるのか。
知っている、どの辺りまで知っているのか。
僕の居場所がわかったのだから他の逸脱した
住居を構える二名の家は即バレとしても、
もしかしたら僕が知りえなかった彼らの背景を知れるかもしれない。

「あなたは何者ですか?」
「私はマザコンだ」
「…は?」



78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/06(土) 23:34:29.82 ID:kS7pidQKO

 いきなりそんな母親が好きであることを告白されても困る。
へーそうなんですか、それはそれは今の反抗的な若者が
氾濫する中で素晴らしく純粋な心をお持ちのようですね。
僕ももし母が生きていたそうなってたかもしれませんよ。
なんて言えばいいんですかね?

「ん、あぁ、間違えた。そうじゃない。そうじゃなかった」


「私はこの日本国内特殊自治領域のマザーコンピューターをしている」



80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 00:21:37.30 ID:PS5PTTieP
昨日のスレkwsk

>>80
唯「零崎を始めます」



83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 00:25:34.14 ID:5mG4KQhkO
唯「零崎を始めます」 (529)
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1243774345/

一応うらるも


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 07:49:44.37 ID:djIOy6Dui
平塚市民だが平塚関係無さそうだから帰ります


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage] 投稿日:2009/06/07(日) 08:09:38.63 ID:USBypBCh0
usb


98 : ◆7SHIicilOU [] 投稿日:2009/06/07(日) 08:41:39.22 ID:5mG4KQhkO
>>96
すげぇな

保守Thanks



104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 10:18:45.39 ID:5mG4KQhkO

―――

 そろそろ夏だな、とか思ってみる。
僕はどちらかというと夏より冬が好きな人種だ。
冬は厚着をすれば暖かく過ごせるが、
夏は全裸になっても暑いのだ。
僕は鰐待のように冷風機など持っていない、
どころか扇風機すら所持していないのだ。

「好きなときに遊びに来ていいぜ? 家近いんだからよ」
「むしろ泊まらせてください。寝苦しいのが一番辛いですから」
「べつに構わんけど、ベット一つしかないぜ? 一緒に寝るか?」
「非常に魅力的な提案ですが辞退します。以前骨を折られかけましたから」
「あぁ、そんなこともあったなぁ」
「ので、深夜の内に毛布の一枚くらい持ってきますので」
「あいよ」



106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 10:21:30.60 ID:5mG4KQhkO

 そこまで話して、背中をどんと強く押される。
背中を、というか位置的には肩に近い場所。
振り向いて見てみれば睨む様な瞳、
たったこれだけ世間話をするのも堪えられないらしい。
ちょっとした世間話は真剣な話をする前に必要な潤滑剤だというのに。


「鰐待」
「なんだ? …っていうか、まぁそっちの見知らぬ誰かの関係なのはわかるけどよ」
「話が早くて助かります、正直僕には手に負えません。…あいたっ」

 僕の後ろに控えていた桃透絶ナは、
その台詞を聞いた直後に僕の背中に蹴りをくれる。
腰の入った良い蹴りである。

「折り入って頼みがある」
「私に、頼み?」
「この場合はお前たちだな。お前たちにだ」
「私たちに、ねぇ」



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 10:29:34.12 ID:5mG4KQhkO

 向かいあう僕と鰐待、そして…桃透絶ナ。
一々フルネームで呼ぶのも面倒なのでこれ以降は
彼女が望んだのもある為、絶ナと呼ばせてもらう。
昨日、僕の前に唐突にやってきた絶ナのした荒唐無稽な話、
当然鵜呑みにするわけにもいかない僕としては
とりあえず判断材料を増やす為に、
そして判断するための時間を増やす為に、
鰐待を呼び出して絶ナに会わせることにしたのだ。

「…ようするに、だ。お前はなにがしたいんだ?」
「なにがしたい。なにがしたい、か。それは目的を聞いてるのか?」
「あたりめーだ」
「ふぅん、なるほど。私の目的か。私の目的はだな」



109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 10:45:52.05 ID:5mG4KQhkO
ドバイいってきます


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 10:48:42.78 ID:uBYCnGc80
いってらー

ドバイか・・・
ドバイってどこら辺だっけ


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 12:28:03.01 ID:fY2TRIZbO
Dubai

経済がやべぇ


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 投稿日:2009/06/07(日) 16:13:03.91 ID:5mG4KQhkO
保守



(編注・未完です)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

サーフィンしてたら
この記事を見つけた

冒頭の文章で相当びっくりした
なんか、その、ありがとうございます

Designed by yukihirotsutsumi (template: gingami2cL)

Powered by FC2 Blog

FC2Ad

Copyright © うかり◆2rPWxrbSIg All Rights Reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。